諦めたくない

文才能力がないため支離滅裂すると思いますが、よろしくお願いします

余命宣告

タイトルの言葉を目の当たりにして


聞かされた時、きっと心肺停止の


時の状態と変わらないのかもね。


毎日、車のガソリンは満タンにして


高速にいつでも乗れるようETCを


挿入したままが日課になってた。


普段通り、朝5時に起きて朝食と


旦那と子供のお弁当の準備していると


妙な寒気がわたしの身体中に来た。


熱を計っても、36.6平熱だ。


暑くないけど、異常な寒気…。


ストーブ付近にいても消えない鳥肌。


旦那が寝室から首を傾げながら


ゆうおはよ!顔色悪いし今日は


お母さんの病院行くの控えて寝て


ゆうが元気になったら、また行きなよ


そう言われ何気ない旦那の優しさに


甘えることできずカチーンと来た。


普段、こんな事でカチンと来ない私


朝食と三人分のお弁当を見事に


ひっくり返してしまった。


旦那が、一つ一つ拾っては


生ゴミ専用の袋に入れてた。


ゆう、疲れたんだよ。


ゆうだから、毎日病院にも通えて


ゆうだから、お母さんに病名も伏せて


泣きそうなくらいツライのに


我慢しちゃうのは良くないよ?


俺が、ゆうだったら…って


すり替えても答えが出ない。


そんな、ゆうが強くてたくましく


思うよ。でも、それは…


ゆうのためでもお母さんのためでも


ないからね。いつも弱い所を見られ


たくないばかりに一人で泣いてる事


1日の始まりも終わりも笑顔で


過ぎようとしてるのもわかる。


そんなゆうの優しさに包まれて


俺も今日まで来たけど…って話を


途中に涙が出てた。


普段、涙の見せない旦那が泣いた。


自分のせいでというのが先立ち


私までもが涙が出てきた。


旦那と二人で泣いた。


2階から、子供たちの声がしてる。


時計を見ると6時20分…。


私が急いでトースト焼く準備して


旦那は、一から3人分のお弁当準備。


そして、7時半になり私は母の病院へ


向かった。病室へ入ると母は臥床。


昼になっても目を閉じたまま。


聞こえてくるのは寝息のみ。


個室の薄暗い部屋で私は寝ている


母のお迎えにはまだきて欲しくないと


窓から見える青い空へ伝えた。


看護師が部屋へ来るとしても


定時の血圧と体温測定と点滴残量


見て交換に来るだけ。


今日の夜勤を誰か聞くと母の


お気に入りの看護師だった。


その看護師も母を気に入ってくれて


母が看護師をしていた病院で母の


教育を受けてきた看護師。


母が入院した、その日に退職し


母が手術する日に入社してきたのだ。


トントン…


部屋の扉をノックする音がした。


私は、はい?そう言うと


こんにちは蟹谷です。勤務前に


師長…いや、ちこさん…いや、


おかあさんの顔を見に来ました。


おかあさん今日どんな感じ?


今日は、ずーっと目を閉じたままで


手を握ると弱い手の力でキュッと


握り返すのが精一杯です。


そっか。おかあさん眠くて仕方ない日


そういう事にしておこうか。


それまで笑えずにいた私は微笑んだ。


30分くらい蟹谷さんは病室にいて


母と勤務していた頃の話を聞かせて


くれました。蟹谷さんは、私に母の


内緒話を教えてくれた。


蟹谷さん、私と対を張れるくらいの


負けず嫌いな性格やいつも笑顔で


人と接する優しい人。母は、


院内会議や棟内会議と毎日多忙だった


話を聞かせてくれた。蟹谷さんが


病室を出るとき、おかあさん今日


わたし夜勤だからなんかあったら


コールしてね。ゆうちゃん私行くね


なんかあったら遠慮なくコールしてね


そう言って蟹谷さんは更衣室へと


向かったのだ。時計の針が4時を


過ぎた頃に母は目を開きました。


わたしが駆け寄って、おはよ!


そう言うと母は不穏気味な母。


わたしが話掛けても無返答。


普段、柔らかい口調で話す母…。


病魔のイタズラで声が聞き取れない


3度目に聞き直してわかった。


それが


生きてもいないけど消えてもいない


その言葉を発して、また入眠。


5時になったので私も帰る準備をし


このまま容態が悪化してほしくない


そう思って帰宅した。


帰り道、何度もお母さんを連呼した。


夜、どんなに寝ようと思っても


なかなか寝付けず気がつくと


目覚ましの音だけが部屋中と


響いてた。


時計のつくりで鳴らし続けて


1分後には止まる音なのになぜか


その日は1分を経過しても鳴り続けてた


朝からいつものように準備して


いつものように7時半には家を出た。


高速に乗るため高速道路に向かう時


私の携帯が鳴った…


母の病院じゃないことを願って


シフトをパーキングに入れた瞬間に


ハンズフリーが作動したのだ。


まさかね、と思いながら私が


はい?と言うと、ゆうちゃん?


と電話の向こうで私を呼ぶ声。


はい、ゆうです。どちら様ですか?


そう言うと私、〇〇病院〇棟の


蟹谷です…朝忙しい時間の電話


申し訳ありません。


蟹谷さんか…とホッとしたのも束の間


落ち着いて聞いてね?お母さん


今朝6時から、かなり深刻な状態なの


もし、家族で病院に来れるなら


少しでも早く来れるなら来てください


蟹谷さんの慌ただしい口調に


私は返事が出来なかった。


旦那に、電話しなくちゃ…


そう思って電話をした。


たっくん、ごめんね…


もう…もう本当に…時間がないって。


お母さん死んじゃうって。


それだけを伝えて電話を切った。


そのあと旦那からの鬼着信が来たけど


出ることができなかった。


私は自分の運転で病院に迎えず



有料駐車場に車を預けた。


駐車場から、車椅子に乗り換え


片っ端からタクシー会社に電話をし


タクシーで病院まで行った。


タクシーの運転手が私に


奥さん、車椅子いつも乗って移動?


それなら専属の運転手なるよ?


私は、部屋の中や外では車椅子だけど


車を運転するのも大丈夫なので…


大丈夫です。そう伝えると運転手は


急病でも、救急搬送車じゃないから


急ぐこと出来ないからねと言われた。


運転手に市街地の病院までの行き先


伝えたが、ピンとも来ず無線で


配車係の人と会話して最短ルートを


聞いて走ってくれた。


タクシーに乗り1時間過ぎた頃


あと20分前後には病院に着くよ!


そう言ってタクシーは病院へ向かった


タクシーの料金など一切気にせず


トランクから車椅子を降ろしてもらい


病室へ向かった。4箇所中3箇所の


エレベーターが点検中…。


一緒にエレベーターを待つ夫婦が


こんな人でも車椅子乗って病気の


フリできるんだ…病院は金取りと


変わらないね〜と私の方へ視線を


ちらちらと向かせて言ってた。


好んで車椅子生活じゃないのに!


という腹ただしさ。


エレベーターを降りた瞬間


蟹谷さんが私の車椅子を押してくれた