諦めたくない

文才能力がないため支離滅裂すると思いますが、よろしくお願いします

この想いを届け

ドアの前に立っているはずの誰か…


涙を拭っても何も見えない…。


病室内は、母の酸素マスクと


心電図のモニターの音だけなのに


温かい空気に一瞬だけなった。


もう一度、目を閉じて目を開けて


その時に見えたのは亡くなった父。


父が倒れた日に父が着ていた服…。


母のベッド横に来て母の姿を


見ている感じだった。


連れて行ってほしくない思いで


お父さんお母さんを迎えに来たの?


お願いお願いだから連れて行くこと


しないでほしい。わたし頑張るから


泣かないからと泣きわめいた状態で


言葉すると、すーっと消えた。


蟹谷さんが、ゆうちゃん今どしたん?


ただ、もがき苦しむ状態でいたよね?


蟹谷さんには見えなかったのかな?


蟹谷さんに、お父さんが来たの!!!


それで、お母さん連れて行くこと


しないでほしいって伝えたの。


蟹谷さんが、え?ちこさんのご主人?


ええ?ゆうちゃん見えたの?


きっと、お父さんがお母さんを


心配で霊界から来たのよね。


ゆうちゃんの顔も気になって来たのよ


そんな感じで会話していると


母の手を私の手のひらに置いてたのに


ガクンと落ちた。


いつ呼吸が止まってもおかしくない


状態になり、泣きながら声掛けを


続けた。その時、旦那がネクタイを


緩めながら息切らして病室に来た。


お母さん、遅くなりました。


あいにく、子供達は連れて来ては


居ませんが…お母さん、まだ早いよ


俺お母さんにまだありがとうも


言ってないよ…そう話しかけた。


ゆうちゃん、私廊下にいるから


蟹谷さんは病室を出た。


更に更に母の身体が冷えてく。


お母さん、お願い答えて!!!


私達家族と一緒に暮らすよね?


約束したよね?あと1ヶ月半で


来るんだよね?お母さん返事してよ!


涙と鼻水は、これでもかという位


出るのに泣き叫び過ぎたせいと


言葉に詰まって声が出ない。


その瞬間


母がうめき声をあげたのだ。


今まで一度も聞いた事のない声。


慌てて見る心電図のモニターには


刻みのある山からフラットに


なろうとしていた。


その直後、当直医が死亡確認し


午後12時56分永眠した。


母の最後のケア…


エンゼルケアを病棟看護師と蟹谷さん


私の3人で行った。


いつも笑顔の母が癌で亡くなり

同時に私の父も50代という若さで

他界をした。


父を最期の日に見送ったのは

ICUの中だった。


父にも母にも、これからをプレゼント

してあげる事が出来ないで時間ばかり

流れて行く。


60歳には、赤のベレー帽を揃いで

被って欲しかったのが私の夢。